2023.12.20 【EMS特集】エレクス 一貫体制で小回りの利く対応強み
SMT(表面実装)のライン
エレクス(岐阜県高山市、金子高一郎社長)は、各種装置の企画開発から設計、試作、評価、量産までの一貫体制で小回りの利く対応ができることを強みにしている。40年以上にわたり、コンピューター機器のワイヤハーネスの生産や、プリント基板製品の試作から量産、装置ユニットの生産で実績を積んできた技術力があり、「ケーブルから基板実装、組み立てまで対応できるところは少ない」(同社)とみる。
経験が豊富で柔軟に対応できるのは産業機器の分野になる。営業と、企画や開発などは品川技術センター(東京都品川区)で行い、生産技術や試作、量産は本社工場で進める。営業と技術が一体となって顧客対応をするため、素早くきめ細かい対応ができる。
工場ではプリント基板実装やフレキシブル基板(FPC)実装の設備を備えるほか、各種ケーブル加工の経験も豊富だ。スーパーコンピューター「京」をはじめ、サーバーやATM(現金自動預払機)のケーブル加工で培ったノウハウもある。
これまで、ハンディーターミナルの充電器(クレードル)の開発製造をはじめ、各種制御機器のプリント基板の開発製造、キオスク端末のプリント基板やケーブルの製造など、実績も豊富。同社がこだわるのは「顧客の困り事をキチンと聞くこと」という。
納期などの問題で機器の生産を断られた案件でも、柔軟に対応し実際の量産にこぎつけた事例も多い。「品質管理は当然のことだが、スケジュール管理なども綿密に進められる」(同社)といい、生産委託したパートナー企業からの評価も高い。
大量生産が得意な海外に対し、同社は50~100ロットからでも対応する。試作をして量産化するまで顧客と綿密に打ち合わせして応じる。同社では「これまで培ったノウハウを生かし、より品質や性能の高い製品開発にもつなげられる」と話している。