2020.03.25 【関西エレクトロニクス産業特集 有力エレキ企業】ニチコン ハイブリッド蓄電システム 家まるごと電力供給可能

12kWhハイブリッド蓄電システムと室内リモコン

 ニチコンは自動車関連機器、パワーエレクトロニクスの市場に注力。コンデンサ事業の拡大とともに、蓄電システムリーディングカンパニーとして「蓄電のニチコン」を掲げる。エネルギーの安定供給と環境保護の両立を目指すNECST事業を経営の新たな柱にすべく、新製品を市場投入する。

 家庭用蓄電システムは大容量で高出力、全負荷分電盤を通じて家まるごと電力供給が可能な蓄電容量12kWhハイブリッド蓄電システムを今月発売した。200V仕様エアコンやIH調理器が使え、新たに自然災害補償10年、気象警報対応サービスを追加している。

 単機能蓄電システムは、4.1kWhの蓄電容量で基礎工事不要な超小型軽量品から、業界最大容量の16.6kWh品までそろえた。昨年11月以降の卒FITユーザーニーズに応える。

 太陽電池やEV・PHVの電池、蓄電池を効率良く連携させ、太陽光で発電した電気を家庭で使用したり、蓄電したり、EVを走らせることも可能なトライブリッド蓄電システムも販売している。

 さらにEV・PHV・FCVに接続して家庭への給電が可能な系統連系型V2Hシステム「EVパワー・ステーション」(スタンダード/プレミアム)を発売。工事不要で手軽に導入できるポータブル蓄電システムや、可搬型給電器「パワー・ムーバー」は昨年9月の千葉大規模停電時の復旧支援に貢献した。09年に製品化したEV・PHV用急速充電器は業界初のCHAdeMO1.0.1対応の最小クラスのスリムタイプ10kW出力品のほか、25/35/50kW出力品を加えた。