2025.10.07 日本電波工業 世界初の小型水晶振動子開発 マイナス40度から125度で動作
NX1612SA
日本電波工業は、フォトリソグラフィー加工された超小型の水晶チップを搭載することで、1612サイズ(1.6×1.2mm)と小型でありながら幅広い温度で動作する水晶振動子「NX1612SA」を開発した。このサイズで、マイナス40度からプラス125度の温度範囲で動作し、プラスマイナス40ppmの周波数安定度と異物混入を低減した水晶振動子は世界初という。サンプル出荷を開始しており、量産時期は2026年4月を予定する。
新製品は、自動車の高機能化に対応するのが狙い。自社で育成した高品質な水晶原石と独自のフォトリソグラフィー加工技術を活用。水晶チップから励振電極形成までをフォトリソグラフィーで加工した超小型の水晶チップで異物混入を低減し、周波数安定度の大幅な向上に成功した。ADAS(先進運転支援システム)やBLE(Bluetooth Low Energy)、Wi-Fi、イーサネット、UWB(超広帯域無線)などの用途を想定する。
近年、自動車の高度化に伴い、さまざまな通信方式を用いた通信機器の需要が拡大している。ADASや自動運転技術の進化で、今後はさらに高機能・高精度化が加速することが予想される。
これらの機器間で通信を行うためには、正確なクロック信号を供給する高精度なタイミングデバイスが不可欠。加えて、高機能化によりモジュール化された製品の車への搭載数が増えており、小型化の需要もさらに高まっていく見込みだ。