2025.10.24 量子時代の暗号脅威に備え Ridgelinez、耐量子計算機暗号への移行支援サービス開始

 量子コンピューターの実用化が進む中、既存の暗号方式がもたらすセキュリティーリスクに対応するため、富士通グループでコンサルティングを手がけるRidgelinezは24日、耐量子計算機暗号(PQC)への移行支援サービスを同日から本格始動すると発表した。業界横断的に、暗号化資産の棚卸しから移行戦略立案、技術対策までを一貫して支援し、企業の“量子耐性”強化を後押しする。

 量子コンピューターは、量子力学の原理を応用して従来のコンピューターを大きく上回る高速並列処理能力をもつ計算機。機械学習・物理・化学など特定分野での利用が見込まれている。一方で、従来の暗号が量子アルゴリズムによって解読され得るという「暗号危殆化」リスクが現実味を帯びており、企業にとっては早期対応が不可欠となっている。

 今回のサービスは、まず「クリプト・インベントリー(暗号技術がどの用途でどこに使われているかを整理・可視化する作業)」を通じて、既存暗号のリスクを可視化。IT計画やサイバーセキュリティー計画と整合させて移行対象システムの優先順位を付け、「クリプト・アジリティー(暗号方式を将来的に柔軟に切り替えられる設計)」を実装可能とするアーキテクチャー(構成設計)を検討する。クラウドサービスのPQC(Post-Quantum Cryptography)対応やロードマップの策定などの支援も含まれ、PQCへの移行を一貫してサポートする。