2020.05.20 【次世代自動車用部品特集】電動車向け部品
xEVのキーユニットの一つ「リアクタ」の小型、高効率化技術が進展する
モーター駆動関連の技術進展
xEVが着実に普及している。モーターを駆動するパワーエレクトロニクスの技術進展が目覚ましい。
xEVは、動力にモーターを使用し、コントローラ、発電機、インバータ、二次電池、DC-DCコンバータ、充電器などがモーター駆動関連の重要構成要素となっている。
コントローラは、アクセルペダルと連動し、バッテリから供給される電気エネルギーを調整してモーターの出力をコントロールする装置。交流電動機搭載の場合は直流を交流に変換するインバータも内蔵されている。
インバータは、直流を複数の半導体スイッチを用いて交流に変換する。HEVではDC-AC変換の機能だけでなく、モーターおよび発電機の制御機能も併せ持つ。
DC-DCコンバータは、駆動モーターで発電して二次電池に蓄積した100-400Vの高電圧を通常の12V補機バッテリまで降圧し、12Vで蓄電。電動ミラー、ヘッドライト、エアコンなどの様々な電子機能の駆動に必要な電力を供給する。
EVは、充電が必要なため、家庭用の普通充電もしくは急速充電を行うための車載用充電器を搭載する。さらにバッテリおよびコントロールするバッテリマネジメントシステム(BMS)を積む。
こうしたパワー系ユニットで使用される電子部品は、高温環境、振動・衝撃など自動車特有の条件における信頼性が強く求められるのが共通点。そのため、電子部品への信頼性要求が一段と強まっている。
アルミ電解コンデンサでは一般的な電解液タイプに加え、最近では導電性高分子アルミ固体電解コンデンサや、導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサの新製品開発が活発化している。
コイル、トランス関連は、信頼性の高いIGBT用絶縁トランス、ハイパワーで高精度の電流センサー、高効率のリアクタやチョークコイルなどの技術開発が進展。
抵抗器は、高信頼性のハイパワータイプ、低抵抗のシャント抵抗器などが搭載されている。いずれもシリコンベースからSiC、GaNといった新しいウエハー材料を用いた新製品開発が進む。