【九州・山口・沖縄産業特集】QUEST　人材育成事業を展開　AIなど技術者教育にも力

特集・企画

2020.03.12 【九州・山口・沖縄産業特集】QUEST　人材育成事業を展開　AIなど技術者教育にも力

福田理事長

　NPO法人QUEST（福岡市早良区）は、AI（人工知能）やIoT、スマートエネルギーなど先端技術に着目した人材育成事業を展開するとともに、技術者教育に力を入れている。

　QUESTは早い時期から、AIやビッグデータといった先端技術を取り上げてきた。福田晃理事長（九州大学大学院主幹教授）は「今さらながら、AIやビッグデータへの需要が高いと分かってきた」と、技術の革新に合わせて柔軟に事業内容も変化させている。

　20年度は19年度に引き続き、最新技術のセミナーやハンズオン（実習）事業を展開し、好調な教育分野をさらに推進していく。

　長崎県情報産業協会での講座は3年連続。運営で関わっている福岡ソフトリサーチパーク（SRP）のIoT講座も回を重ね、一般や子ども向けなど幅広い層にも実施している。

　組込みシステム技術協会（JASA）が実施している「ETソフトウェアデザインロボットコンテスト（ETロボコン）」の地区運営も継続する。九州地区の特徴として、九州産業大学、長崎総合科学大学など、学生チームの参加が他地区と比較して多い。「若い力を伸ばしていきたい」（福田理事長）と技術教育、試走会から地区大会まで運営していく。

　QUESTが事務局として携わっている「DELIA（ブロックチェーンによる分散エネルギー情報基盤アライアンス）」は18年4月から活動し、19年度は福岡市東区アイランドシティでの実証実験を開始。技術取得と人材育成に向けたセミナーや教材作成なども行っている。

　この技術を基にビジネスにつながる分野を切り出し、「JWAT WAVE」（福岡市早良区）を19年11月に設立した。福田理事長は、より強力に推進し、様々な地域と連携を深めることで、20年度に軌道に乗せられればと考えている。

　エネルギーのIoTであるDELIAに対し、モビリティでは19年4月設立の一般社団法人「EMoBIA」がCASEやMaaSなど、モビリティサービスを対象にした研究・事業開発と普及促進を図っている。