2020.03.12 【九州・山口・沖縄産業特集】エリアトーク 地域情報伝達無線システム普及へ

大田 社長

 エリアトーク(鹿児島県霧島市)は、地域情報伝達無線システム「エリアトーク」の普及に尽力している。台風や水害など災害が常態化する中、西日本を中心に自治体などからの問い合わせが増えている。大田安孝社長は「来年度の実績は今年と同様のペースで推移する見通し。着実に実績を重ねたい」と話す。

 エリアトークは、簡易無線などを活用して、親機からの放送を子機で戸別に受信できるシステム。自治会情報も防災情報も、全てエリアトーク1台で行うことができる。また、簡易無線は無線従事者の資格が不要で、ハードルが低いかたちで地域コミュニティを構築できる。

 デジタル対応機種、アナログ対応機種、単機能機種など幅広い商材をそろえる。「ユーザーのニーズは多岐にわたる。高機能を求める人もいれば、単機能でよいと言われることもある。幅広い機種で対応してきたい」と大田社長。

 防災行政無線やMCA無線などとも連携でき、西日本を中心に実績を積み重ねる。九州や中国、関西、四国などで問い合わせが多く、最近では東北などからもあるという。

 以前から進めていた兵庫県東部の地方自治体では、防災無線とエリアトークのハイブリッド型を順次導入。20年1月に合計1万7500台の整備を完了した。また、鹿児島県内の自治体でも公共施設に400台の整備を完了。今後、世帯向けに整備を進める。

 自治体向けだけでなく、町内会の情報伝達システムや工場内のコミュニケーションツールとしても活用されており、自治会向けはコンスタントに出荷。工場向けでは3月に更新案件があるなど実績を上げている。

 端末の設置も簡単で、短期間で導入することが可能。有線による敷設も不要でコストも抑えることができる。「工場向けでは事業継続計画の一環で導入するところも多い。地震も多いことから社員の安否を確認するツールとしても最適」(大田社長)。

 来年度も今年度と同様のペースで導入が進む予定。自治体向けなど獲得を進め、実需に結び付けたい方針だ。

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