2020.03.12 【九州・山口・沖縄産業特集】九州計測器 システム提案など注力 オリジナル商品も展開
岩倉 社長
九州計測器(福岡市博多区)は技術力を強みに、システム提案、オリジナル商品の開発・拡販、研究開発サービスに力を入れている。地元九州では商社として顧客のニーズに応える一方、オリジナル商品を展開。全国区へ発信するなどデジタルマーケティングも強化している。
19年4月からWebサイトを一新し、製造業向けものづくりポータルサイト「アペルザ」も活用。セミナーに合わせた製品やオリジナル商品、次世代高速通信規格5Gの開発支援や学術研究向けなど時流に合わせてテーマを変え、既存顧客へのメールマガジンなどに利用している。
今年4月からは、メールマガジンなどを担当する社員を新たに1人起用する。「既存顧客とのつながりがポイント」と、岩倉弘隆社長は情報発信力の強化を図る。
最近ではSPR(表面プラズモン共鳴)装置のシンプルタイプを低価格で手軽に使えるシステムとして推している。従来のシステムの利用分野をリサーチしたところ、ケミカルセンサーの開発研究に活用されていた。検証のために台数も必要と見て、ケミカルセンサー開発者向けのキットとして、今後カタログなどへ展開していく。
計測技術を応用し、様々なユーザーの要望に合わせたシステムをつくり上げられるのは、各メーカー製品の特徴を熟知した専門商社ならではの強みだ。
中部電力と共同開発してきた「空間環境の可視化システム」はオリジナル商品の中でも引き合いが増えている。時系列を含めて温度変化を立体的に可視化するシステムで、温度だけでない見える化を求める相談が増加。空間環境の可視化の需要が具体化してきたと見ている。
計測技術を食品、医療など他分野のソリューションへつなぐことで、電気・電子の世界の応用が使えるのではと、PR方法の変更も検討している。
岩倉社長は「技術だけでなく、違う分野の売る力やノウハウを開拓できれば、当社の得意分野もうまく生かせる」ときっかけづくりとともに、他分野の商社などとの連携も視野に入れている。
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