2020.03.12 【九州・山口・沖縄特集】コア九州カンパニー 「コアビジネス」に注力 においソリューション好調

山根 社長

 コアは同じ事業、マーケット、サービスを全国にあるグループ各拠点が「横ぐし」で連携することでスケールメリットを生かすとともに、スピードある変化を取り込むため映像表示などのメディア、公共、医療・介護、準天頂衛星対応製品のGNSS、IoT(AI〈人工知能〉)の五つの事業を定義した「コアビジネス」により、グループ全体の成長を目指そうとしている。

 この一環として九州カンパニー(福岡市中央区)は、九州域内においてソフトウエア開発を中心に事業を構築しているが、約80人のスタッフがその中でも車載・自動運転周辺とIoT関連を重点分野に取り組んでいる。現在、売上高は横ばいながら「コアビジネス」の展開で収益性は好転している。

 全国を横断した事業では、「医療」「公共」「IoT」が中心だ。具体的には病院の電子カルテが堅調で、このほか工場内などの設備劣化に伴う「におい」を感知する「においソリューション」が好調に推移している。

 この「においセンサ」は、製造現場の作業だけでなく、医療現場のスタッフなど人に依存していた「におい」の変化を「見える化」していくもので、電力、製造、食品、土木・建設、警備・見守り、介護などあらゆる分野を対象にしている。

 同社はこれまでIoTのPoC(Proof of Concept)や本番導入に必要な構成要素をセットし、センサーデータ収集利用のソフトウエア一式を提供してきた。

 こうした中で、来年度からは、働き方改革の一環で業務の効率化を組み込んだ「DX」(デジタルトランスフォーメーション=デジタル変革)をコアとして新しい中期経営計画に織り込んだソリューションを提案していこうとしている。

 山根隆次社長は「経済環境が不透明な中で、わが国も生産性を高めていく必要がある。新規客に提案するより、まずは既存の顧客を中心にDXによるソリューションを展開していく」と語る。九州カンパニーは組み込みシステムの有力企業で、JASA九州支部の事務局を務めている。

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