2020.03.12 【九州・山口・沖縄産業特集】長州産業 水素燃料電池システムなど新たな取り組み推進

岡本 社長

 長州産業(山口県山陽小野田市)は、既存の太陽光発電システム、真空関連のメカトロニクス事業に加え、水素燃料電池システムや新規のバイオマス事業など新たな取り組みを推進している。

 水素燃料電池システムは国内だけでなく、中国など海外で案件獲得を進める。バイオマスは研究機関と連携し、畜産業界の課題を解決する意味でも提案を強化する。

 太陽光発電システムは想定より伸ばせていないものの、新築関連の需要で好調。また、エネルギー関連では4月から蓄電池の新製品を2機種発売予定。4月にハイブリッド型の大型機種を発売し、5月にも1機種リリース。卒FITの対応を新製品で強化する。

 水素関連事業では17年3月に開発・発売した、太陽光発電システムと水素燃料電池を組み合わせた施設「ソーラー水素iパワーステーション(SHiPS)」が国内だけでなく、海外でも商談が進む。国内では長野県企業局の川中島庁舎にSHiPSを開所。海外では中国での案件獲得を進め、案件の数自体が拡大している。「海外では中国だけでなく、米国なども環境に対する関心は高い。着実に実績を伸ばす」と岡本晋社長。

 昨年末にはロックバンド「LUNA SEA」の30周年ライブで電源供給面でSHiPSを提供。生成した水素を活用し、燃料電池自動車からアンプなどに電源を供給した。

 バイオマス事業は、畜産業界の課題を解決できるシステムとして提案。家畜糞尿を燃料とするバイオマス発電で展開。処理システムから発電システムの提供、サポートなどワンストップで対応できる強みを紹介し、国内で実績を高めたい考え。「家畜の糞尿は処理、臭いの問題など畜産業界にとって大きな課題。バイオマスはコストダウンも図れ、地域社会と共存できるシステムともなる。年内に3件の受注の獲得を目指したい」(岡本社長)。

 足元の状況は新型コロナウイルスの影響や景況感の不透明さなどがあり、落ち着いていないが、水素関連や新規事業などで既存事業と合わせて実績を高めたい考えだ。

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